«Haló noviny»:ロシアの資料コレクションの中で、大祖国戦争開戦に関わる、これまで公開されてこなかった歴史的文書が公開されることはあるのでしょうか。たとえば、チェコの歴史家や研究者に、それらを閲覧する権利はあるのでしょうか。

A.ズメーエフスキー:ロシアの資料コレクションは、第二次世界大戦に関する歴史的文書を計画的に公開しており、とりわけ、ロシア連邦大統領V.V.プーチンもそのように呼びかけています。これに関連して、ロシアの首脳は特に、大祖国戦争の期間におけるソ連民間人の悲劇に関する歴史的記憶を保存し、また、民間人に対する犯罪状況を立証する目的の、「時効なし」という連邦プロジェクトに力を入れています。注目すべきは、プロジェクトの資料はすでに、ロシアの高等教育機関における学習プログラムに組み込まれることが計画されていて、またそれらをインターネット上で閲覧することも可能だということです。これにより、専門家グループだけにとどまらず、チェコ共和国も含めた、関心ある社会一般にとっても、資料へのアクセスが簡素化されることになります。

 ロシア連邦国防省の公式サイトでは、中央公文書館が所蔵する資料のうち、機密扱いではなくなった資料を定期的にアップロードしています。たとえば、2021年5月には、プラハの戦いに関する資料が公開されました。大使館のサイトでも、このマルチメディアプロジェクトを閲覧することが可能です。

«Haló noviny»:特にヨーロッパにおいて、ここ数年、「東方への衝動(Drang nach Osten)」の新たな考え方を、さまざまな形で公認する勢力が結集してきています。たとえば、欧州議会、欧州評議会議員総会や、いくつかの国の議会の決議、第二次世界大戦の首謀者に関する決議は、ソ連を、ヒトラーが率いたドイツと同等と見なしているのです。この歴史的矛盾への反論において、ロシアの代表やロシアの歴史家の反応は十分に聞き届けられているでしょうか。

A.ズメーエフスキー:明らかな挑発により、そのような動きは、現実的な脅威を引き起こすおそれがあります。現在の政局のお気に召すように第二次世界大戦の歴史を歪曲したり、その結末を書き換えたり、ニュルンベルク裁判の結論に疑問を投げかけようとする試みは、国連憲章にも記載されている通り、「戦争の惨害から将来の世代を救う」ことを呼びかける普遍的な国際機関である国連の認識に賛同している戦勝国とその同盟国(これには、チェコスロヴァキアも含まれます)の努力を踏みにじるものです。

 このようにして、先ほど挙げてくださったヨーロッパ機構のうちのいくつかは、自らの悪名高い決定により、事実上、国連憲章の根幹を揺るがし、彼らの納得のいくように目的を書き換えているというわけです。

 このつながりで、ドイツ連邦共和国の外務大臣H.マースの言葉を引用しましょう。彼は、第二次世界大戦終戦75年の節目に«Spiegel»誌に寄せた論文の中で、「ドイツがポーランドに侵攻し、単独で第二次世界大戦を引き起こした」と述べ、この問題に最終的な答えを出したのです。

 ロシア連邦の立場については、ロシア大統領が『戦勝75年:歴史と未来に対する共通の責任』という論文の中で、分かりやすく、論証的に述べています。この中で、彼は、ロシアが資料に裏付けられた歴史的事実に基づく歴史的真実を守り続けていること、そして、第二次世界大戦に関して偏りなく語り続けていることを強調しています。

By KokusaiSeikatsu

『国際生活』はロシア連邦外務省を発起人とする、国際政治、外交、国家安全保障の問題を取り扱う月刊誌です。創刊号は1922年、『外務人民委員部週報』として出版され、1954年に『国際生活』として、月刊誌として復刊しました。今日、ロシア国内だけでなく、世界各国においても幅広い読者を獲得しています。