«Haló noviny»:在モスクワチェコ大使館と在プラハロシア大使館の外交官と公務員の数が同数とされてから、チェコとロシアの関係は新たに構築し直されたと言えるでしょうか。現在の我々の相互関係は、どのような状態にあるでしょうか。

A.ズメーエフスキー:ロシアとチェコの関係は今、重大な危機に瀕しています。その現在の散々な状況は、チェコの側から何年にも渡って取られてきた、継続的な非友好的行為の結果なのです。アメリカによる、ロシア人E.ニクーリンの違法な引き渡し、捏造された2018年の「スクリパリ事件」、さらには、チェコ共和国のA.バビシュ首相自身も、架空のものであったと認めている2020年の「リシン事件」により、ロシアの在外公館の職員を根拠なしに追放したことを思い起こすだけで十分でしょう。このような非友好的行為には、プラハを解放した赤軍兵士に捧げられた記念プレートが、旧市庁舎から外されたこと、そして、プラハ6区にあるI.S.コーネフ元帥の像が取り壊されたことと、ブラーソフ隊員の英雄化も加えることができます。反ロシア的路線の最たるものは、7年前に発生したヴルビェティツェ弾薬庫爆発事件に関連した、ロシアに対する理不尽な弾劾と、のちに行われた、わが国の外交官18名に対する国外退去の宣告です。ロシア側の対抗措置は、事件に対する当然の反応でした。ロシアに対して非友好的行為を行う国家のリストにチェコを加えたのは、残念ながら、単に実情を反映した措置だと言えます。

 悲しいことですが、事実なのです。10年に渡って、共に努力して丁寧に築き上げられた双方の関係の土台は、完全に崩壊してしまいました。ロシアに対して、先例のない非友好的行為を行ったわが国のパートナーは、そこに留まるつもりがないと分からせてくれたのです。同意してくださると思いますが、このような条件下では、右肩上がりの関係性の発展に関して話をすることは、きわめて困難です。「修復するより壊す方が簡単だ」とはよく言ったもので、修復することは、壊すよりもずっと難しいのです。相互利益的な協力が損なわれたということは、双方ともに損害をこうむったということです。それでも、さまざまな分野(貿易や投資、文化や教育)での相互協力への関心は、依然として存在し続けています。

«Haló noviny»:ロシアとチェコの関係において、ここ30年間で達成されたことだけでなく、1922年に当時のチェコスロヴァキアとソ連の間で外交関係が樹立されたときからの成果をすべて忘れ去ったり、なかったことにしたりすることは可能なのでしょうか。

A.ズメーエフスキー:歴史を「なかったことに」するのは不可能です。これは、遠い昔にまでルーツをさかのぼる、ロシアとチェコの関係史にも関わることです。その歴史は、輝かしく、非常に類まれなページで彩られており、これを誰かの一存で勝手に破り取ることなどできないのです。それと同時に、最近では、我々が共同で作り上げてきた歴史を歪曲したり、書き換えたり、我々を団結させているものすべてを歴史から抹消したり、あるいは反対に、過去の傷口に意図的に触れ、我々が経験した困難な時期を前面に押し出したりしようという試みが、以前にも増して行われています。過去を「なかったことに」する試みは、結局のところ、失敗するだろうと私は考えています。私は、社会における健全な力が、歴史的記憶からすべての手あかを取り除き、また、我々の非友好的関係を扇動するような試み(これはなにもチェコだけではありませんが)に対抗して、建設的な相互関係のために蓄えられてきた財産を、増やしていくことが出来ると確信しています。

By KokusaiSeikatsu

『国際生活』はロシア連邦外務省を発起人とする、国際政治、外交、国家安全保障の問題を取り扱う月刊誌です。創刊号は1922年、『外務人民委員部週報』として出版され、1954年に『国際生活』として、月刊誌として復刊しました。今日、ロシア国内だけでなく、世界各国においても幅広い読者を獲得しています。