現実には、フランスがアフリカ諸国で支援国あるいは同盟国として認識されることはますます少なくなっていた。2019年の暮れから、マリ、ニジェール、そしてブルキナファソでは、フランス軍の国内駐留や、サヘル(サハラ砂漠から赤道直下の熱帯雨林にかけて広がる帯状のサバンナ)の天然資源の無節操な搾取に対する抗議運動が高まっている。特にマリでは大規模なデモが繰り広げられた。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の専門家であるオーレリアン・トビー氏は、「ブルキナファソとアルジェリアで和平合意が結ばれた直後、マリ人のフランス軍駐留に対する見方は変化した。彼らは『サーバル』作戦を支持したが、なぜそれが『バルハン』作戦に取って代わられたのか今や理解できないでいる(中略)マリの人々は、フランスがマリにとっての敵、具体的にはアザワド解放民族運動と結託したのではないかと考えているのだ」と述べている。同氏によると、サヘル地域の国々では、「フランスは真の狙いを隠している、意図的にサヘル地域を不安定化させている」との認識がますます拡大しているという。フランスがリビアのカダフィ政権打倒を主導してから、その危機感は特に高まっている。

サヘル地域へのフランス軍派遣については、イスラムテロ組織の闘いとマリの国家保全のために必要な措置であったとの公式見解が示された。実際に、2000年代初頭に「アルカイダ」の最初の使者が初めてこの地に現れ、2012年にトゥアレグ族がマリ北部を含む広大なサブサハラ地域でアザワド独立を宣言し、ロシアやフランスで違法とされているISISと同様の存在が生まれている。

フランスの軍事介入に「人道上の理由」という正当性を付与する公式見解は、NATO加盟国に支持され、「自由世界」のメディアにも引用された。しかしながら、フランス軍が派遣された真の目的は、フランス財閥である「アレヴァ」が、現地の国々にとって差別的な条件の下で数十年にわたり搾取してきたウラン鉱山を確保することであった。この時、サヘル産ウランを巡っては、ウランを市場価格で購入しようとする中国と、部族領内の鉱山から採れるウランの利益分配を求めるトゥアレグ族のリーダーが、ますます声高に主張を強めていた。また、ウラン鉱床は「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ」をはじめとするイスラム系組織の恰好の標的となっていた。

長期化するマリ政治危機

アフリカ地域に着々と進出する中国の存在は、フランスの不安を増幅させた。マリのアマドゥ・トゥマニ・トゥーレ大統領が中国との協力関係を強化しようとすると、フランス特殊部隊は2012年にクーデターを起こし、不都合なマリの指導者を政権から追放した。最終的に、フランスは自国に忠実なイブラヒム・ブバカール・ケイタを大統領の座に就かせることに成功した。

フランスの傀儡による統治は、マリ国内に不安をもたらした。何より、ケイタ大統領はマリ北部に憲法秩序を成立させることに失敗した。トゥアレグ族リーダーとの交渉では、一定の柔軟性を示すことも、必要な妥協点を見出そうとすることもなかった。2014年の象徴的なインタビューでは、彼は「はっきり言おう!いかなる独立も自治も認めない・・・」と明言している。マリの強硬な態度は、トゥアレグ族をイスラム原理主義の旗の下へ押しやることになった。

その結果、サヘル地帯で「イスラムとムスリムの支援団」と呼ばれる一種のテロリスト同盟が結成された。この組織は、「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ」の傘下にあるトゥアレグ族の武装組織「アンサール・アル・ディーン」の幹部らと、今は亡きアルジェリア人モフタル・ベルモフタルによって結成されたイスラム過激派組織「アル・ムラービトゥーン」や、「サハラ地区」と名付けられた組織によって構成されている。これらのテロ組織は全て、何らかの形でアザワド地区と関係している。こうして、一方ではケイタ政権とそれを裏で動かすフランス軍、他方ではイスラム原理主義者とトゥアレグ分離独立派の連合体との間で、一種の制度化された衝突が生じたのである。

By KokusaiSeikatsu

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