ロシア外務省のセルゲイ・ヴェルシーニン次官は、トリヤッティとオデッサとを結ぶアンモニアパイプラインの稼働問題を、ウクライナ側が政治取引に利用しようとしていることについて、応じないとの考えを示した。

ヴェルシーニン次官は、「我々としては常に、アンモニアを相互に利益のある商業事業として考えており、政治的駆け引きの材料として考えたことはない。残念ながら、9月以降、仲介者、国連関係者を通じて、ウクライナ側からは様々な政治的要求が伝えられている。その要求は多岐にわたっているが、我々はそれに応じてこなかったし、いまでも応じるつもりはない」としている(リアノーボスチ通信からの引用)。

これより先、ロシアのワシリー・ネベンジャ国連大使は、マーティン・グリフィス国連事務次長及びレベッカ・グリンスパン国連貿易開発会議(UNCTAD)代表への書簡の中で、「穀物合意」の60日以上の延長は、ロシア側の要求が履行されて初めて可能になる、との姿勢を示していた。

その中でネベンジャ国連大使は、「黒海の穀物イニシアティブのさらなる延長は、ロシアの食糧及び肥料のグローバル市場への販売促進に関するロシアと国連事務局との間での相互理解覚書の履行に関して具体的な進展が見られるかどうかにかかっている」と指摘している。

具体的な条件として、ロシア農業銀行のSWIFTへの接続、ロシアへの農業機械供給の再開、ロシア貨物船への制限撤廃、アンモニアパイプライン「トリアッティーオデッサ」への制限撤廃、肥料生産に関わるロシア企業の活動再開が挙げられている。

https://interaffairs.ru/news/show/40134

By KokusaiSeikatsu

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