アナトリー・アントノフ駐米ロシア大使は、タス通信とのインタビューに応じ、ホワイトハウスの対ロシア政策における真の目的を、もはや誰も隠そうとはしていない、との考えを明らかにした。

アントノフ大使は、「すべてのテレビチャンネルで、政治コメンテーターらが、ロシア連邦に対するアメリカの代理戦争を強化する必要があると話している。我が国に対する憎しみを焚き付けるために、資金、武器、諜報機関、軍事衛星などというまさにすべてが投入され、ロシア軍との戦いが進められている」と述べている。

アントノフ大使はこれより先、『国際生活』(ロシア語版)に掲載された自らの論文の中で、アメリカの新しい国家安全保障戦略には、ロシアと対等な話し合いを行うための意思が欠けていることを指摘していた。(下記、同論文より一部抜粋)

「アメリカは、重要な分野において、中国とロシアに対する包囲網を形成し続けるつもりだ。その土台となっているのが、民主主義と権威主義との対立というイデオロギーだ。ホワイトハウスは口では、世界のブロック化を望まない、新しい冷戦を望まないとしているが、実際にはその逆のことをしている。軍縮に関する点においても、新しい国家安全保障戦略には失望している。新戦略兵器削減条約について、拡大された透明性のある仕組みに置き換える、という抽象的な文言以外、具体的な考えが含まれていない。今回の国家安全保障戦略においては、ロシアとアメリカによる戦略対話に関する文言も一切見当たらない。アメリカ側には、ロシアと話し合うつもりがなく、対等な対話を行う意思がないということだ。世界は、新戦略兵器削減条約に代わる新しい条約を望んでいるにも関わらず、アメリカはそれに応えようとしていない。」

https://interaffairs.ru/news/show/38351

By KokusaiSeikatsu

『国際生活』はロシア連邦外務省を発起人とする、国際政治、外交、国家安全保障の問題を取り扱う月刊誌です。創刊号は1922年、『外務人民委員部週報』として出版され、1954年に『国際生活』として、月刊誌として復刊しました。今日、ロシア国内だけでなく、世界各国においても幅広い読者を獲得しています。