現在実施されているセルゲイ・ラヴロフ外相のラテンアメリカ歴訪について、ロシア科学アカデミーラテンアメリカ研究所所長代行で、歴史学博士候補であるドミトリー・ローゼンターリ氏は次のように語る。
「今回の歴訪は、3つの重要な外交課題を解決するためのものです。まず第一に、西側諸国による妨害という状況のなかでも、ラテンアメリカにおいてロシアは自身のプレゼンスを維持しているという、デモンストレーションという性格があります。第二に、キューバ、ベネズエラ、ニカラグア、ブラジルという我が国の戦略的パートナー諸国との間での立場の調整があります。これは、特別軍事作戦を受けて特に重要なものです。そして第三に、貿易経済関係や学術交流、人的交流の拡大といった、新しい関係づくりを進めることです。これには大きな可能性があります。また、キューバ、ベネズエラ、ニカラグアというのは、アメリカからの圧力に対抗するためにロシアを自らの伝統的なパートナーと見なしてきました。さらには、西側諸国による制裁対象であるという共通の問題を抱えています。ブラジルではシルヴァ大統領が政権に返り咲いたことによって、ウクライナ危機の平和的解決のためのイニシアティブなど、国際舞台でも大きな役割を果たそうとしています。ロシアとブラジルとの貿易経済関係は記録的なものに成長しており、ラテンアメリカ全体との2019年の貿易額が120億ドルであったのに対して、ブラジルとの貿易は110億ドルを占めているのです」
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