(写真:タス通信)

ロシア国防省が、公式テレグラムチャンネルで明らかにしたところによれば、モスクワでは、シリア危機の解決を協議するためのロシア、シリア、トルコの三か国国防相会談が実施された。

それによれば、「シリア危機の解決に向けた方策が協議され、シリア領内における過激派組織の対策を共同で行うことのほか、難民問題についても協議された。会談は建設的な雰囲気のなか行われ、シリア及び地域全体の更なる情勢安定化のため、会談を継続していく必要性を認識した」としている。

これより先、『国際生活』はシリア問題の将来に関する論文を掲載しており、下記に一部を抜粋する。

「5月24日、トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領は、シリアへの新しい越境作戦が間もなく始まる予定であることを高らかに宣言した。その作戦は、トルコとシリアの国境線に沿って、シリア側30キロメートルの範囲を『セーフティー・ゾーン』とするもので、『クルド人テロリスト』をトルコ国境から遠ざけることを目指したものだ。しかし8月には、エルドアン大統領及び、連立政権のパートナーであるデヴレト・バフチェリ民族主義者行動党党首、メヴリュット・チェヴシュオール外相らは、トルコとシリアとの関係正常化の可能性に触れている。さらにトルコ祖国党書記長のドウ・ペリンチェク氏は、バシャル・アサド大統領の招待により、ダマスカスを訪問する予定だともしている。ペリンチェク氏は、トルコにおける『ユーラシア主義』のリーダーであり、筋金入りの『反欧米主義者』である。またエルドアン大統領の腹心とも噂されている。一部の報道では、9月15日から16日に行われる上海協力機構サミットにおいてトルコとシリアの首脳会談が予定されているともされる。トルコ外務省は、そのような予定はないとして、過剰な期待を警戒しているが、一方で、シリアにおける平和の実現に向けた方策を支持している、と述べている。」

2022年8月30日、アンドレイ・イサエフ、「トルコとシリアの和解は現実となるか?」)

https://interaffairs.ru/news/show/38401

By KokusaiSeikatsu

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