国際的な承認を得ていないコソボ政府のアルビン・クルチ首相は、同国におけるNATO平和維持部隊の拡大を呼びかけた。ドイツ紙『WELT』とのインタビューを引用する形でBloombergが報じた。

クルチ首相は、「NATO軍の大幅なプレゼンス強化は、コソボ及び西バルカン地域全体の平和と安全を高めるだろう」と述べ、「NATOによるコソボ治安維持部隊KFORの人員増加は、我が国の防衛努力を支えるものになるだろう」とした。

これより先『国際生活』では、最近のコソボ情勢の緊迫化について、アレクサンドル・ボツァン=ハルチェンコ駐セルビアロシア連邦大使による論文を掲載していた。下記、一部を抜粋する。

ー西側は次々に新しい考えを持ち出してくる。EUのジョセップ・ボレル外務・安全保障政策上級代表は、ベルグラードとプリシュティナとの交渉について、いわゆる仏独調停プランへの切り替えが有効であることをほのめかしている。このプランでは、国連を含む国際機関にコソボが加入することを、ベルグラードが認めることになる。一方、ガブリエル・エスコバル米国特使は、コソボ内のセルビア人にとって、コソボ・セルビア人自治体連合体が重要であることをここになって突然指摘し、同連合体が実現するよう米国は全力を尽くすとしている。しかし、その条件として、コソボ「憲法」に沿った形で行うこととしている。つまりアメリカは、表向きにはコソボ・セルビア人自治体連合体という看板を掲げるものの、実際には何の権限もない、いちNGOに過ぎない組織を作ることによって、これを骨抜きにしようとしている。

(2022年12月21日、アレクサンドル・ボツァン=ハルチェンコ、「危険ラインのコソボ 西側の欺瞞と真の対話の必要性」)

https://interaffairs.ru/news/show/38444

By KokusaiSeikatsu

『国際生活』はロシア連邦外務省を発起人とする、国際政治、外交、国家安全保障の問題を取り扱う月刊誌です。創刊号は1922年、『外務人民委員部週報』として出版され、1954年に『国際生活』として、月刊誌として復刊しました。今日、ロシア国内だけでなく、世界各国においても幅広い読者を獲得しています。