写真:シュタインマイヤー独大統領(左)とポーランドのドゥダ大統領
ポーランドの戦争賠償問題担当政府代表を務めるアルカディウシ・ムリャルチク外務次官は、ラジオ・ポーランドに出演した中で、ドイツによる戦争賠償問題について、国連の支援を呼びかけたことを明らかにした。リアノーボスチ通信が伝えた。
ムリャルチク外務次官は、「国連に対してこの問題に介入してくれるよう依頼した。対話を行おうとしないドイツとの対話のための何らかのプラットフォームを作るため、この問題への介入を依頼している」と語った。
ポーランド政府はドイツに対して、6兆2000億ズロチ(約1兆3000億ドル)を、「第二次世界大戦における損害に対する賠償」として支払いを求めている。これより先、ポーランドはすでにユネスコ及び欧州評議会に同様の依頼を行っている。
ムリャルチク氏は、「ドイツ側には対話の意思が見られない。両国の協力のための形を作るために、欧州評議会事務局長及び閣僚委員会に対して依頼をしている。欧州評議会事務局長、閣僚委員会、及びすべての加盟国が、この問題を検討してくれることを依頼している」と語った(リアノーボスチ通信)。ドイツが対話に応じようとしないことを指摘したムリャルチク氏は、「戦争賠償の問題解決のため」欧州評議会がドイツに対話の開始を説得することを希望するとしている。
ドイツ政府は、ポーランドへの支払いに応じる意思はないと再三にわたって表明しており、すでに十分な賠償が支払われている中で、1953年にポーランド政府がさらなる賠償を放棄するとした合意を見直す根拠はないとの立場を示している。
この背景には、2000年代初めからEU予算からポーランドに支払われていた1200億ユーロ以上の資金がまもなく終了することがある。2021年に至るまで、EU加盟国のおよそ半数が、多額の援助をEU予算から受けていたが、経済危機の中で、その見直しが進んでいる。
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