米大統領補佐官や国務長官を歴任してきたヘンリー・キッシンジャー氏は、今回出版された著書『Leadership: six studies in World Strategy』の中で、ウクライナの中立化が、ロシアとの紛争を終わらせることができるとの考えを示した。
キッシンジャー氏は、紛争解決のためにはウクライナがNATOに加盟しないことが重要だと指摘し、「ウクライナがNATOに加盟した場合、国境はモスクワから500キロとなる。これは、ロシアが今まで確保してきた戦略的緩衝地帯を奪うことになる」としている。
またキッシンジャー氏は、ロシアは今後とも世界において重要な役割を果たすとしたうえで、「ロシアの歴史と広さを見れば、安全保障上の懸念を持つことも当然だ」と述べた。
これより先、英紙『The Spectator』に掲載された「How to avoid another world war」と題した論考で、キッシンジャー氏は、ウクライナ紛争において、交渉のきっかけをつかむタイミングが来たとの考えを示していた。それによれば、現在戦闘が行われている地域の住民に自決権を与えることが提案されている。「自決原則に立ち返る可能性を検討することもできるだろう。特に対立が激しい地域においては、国際的な監視の下で住民投票を実施することが考えられる」と指摘している。
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