クリミア共和国のヤルタでは、2020年10月1日と2日、『国際生活』主催(ロシア外務省後援)による第11回国際ヤルタ会議が実施された。

(翻訳:安本浩祥)

アルメン・アガネシアン 『国際生活』編集長

 『国際生活』主催の第11回国際ヤルタ会議を開催いたします。今年はCOVID-19のパンデミックのなかでの開催となります。状況が正常化してきているおかげで、こうしていつも通り、黒海に臨むヤルタに集まって、旧ソ連地域における統合の問題を議論することができます。残念ながら、海外からのゲストについては、感染防止の水際対策などもあり、遠隔での参加となりました。技術的に難しいところもありますが、オンラインでうまく話し合えることを期待しています。

 ロシア外務副大臣であるA.A.パンキン氏におかれましては、ロシア外務大臣S.V.ラヴロフ氏の開会祝辞を持参していただきましてありがとうございました。クリミア共和国副首相のG.L.ムラドフ氏におかれましては、クリミア共和国首相S.V.アクショーノフ氏からのご挨拶をいただきまして、ありがとうございました。

 会議ではクリミアからの特別ゲストとして、ヤルタ主教のネストル師、セバスト―ポリ国立大学でクリミアの地下水問題を研究されておられるN.I.コワリョフ氏をお招きしております。ご参加いただきましてありがとうございます。

 また例年通り、専門家同士のディスカッションのテーマとして、興味深い今日的な話題を選びました。例えば、旧ソ連構成共和国同士の関係、COVID-19と新しい生活様式、旧ソ連地域における「カラー革命」、大祖国戦争における私たちの勝利などです。

 理論的な意味においてのみならず、実際の状況への方策としても、これらの議論が有益なものとなることを確信しております。

(ラヴロフ外相の祝辞)

 『国際生活』主催、ロシア外務省後援による第11回会議の関係者、参加者の皆様、ようこそお越しくださいました。

 毎年このヤルタ会議では、CISにおける協力と統合を議論するために、政府関係者、学者、研究者、社会活動家、実業家、メディア関係者の錚々たる顔ぶれが集まります。私たちが持つ統合の大きなポテンシャルをさらに活用することを含め、今日直面している課題を見てみれば、このような議論の場はますます必要とされています。

 毎年、会議の日程は充実しています。関心の中心には、ファシズムへの勝利75周年と現代史の問題、COVID-19のパンデミックと新しい生活様式、対等で一体となった大陸全体での安全保障体制の構築などがあります。プーチン大統領は、ユーラシア経済連合、CIS、上海協力機構、アセアン諸国と一緒になった「大ユーラシアパートナーシップ」の推進を提案しています。ロシアはこの推進を通じて、ユーラシアにおける平和の確立、持続的発展に貢献し続けます。ユーラシア経済連合と中国の「一帯一路」との共同を通じて、すでにその実現が始まっています。

 会議が友好的で創造的な雰囲気で行われますことを信じて疑いません。良い議論が行われることを記念いたします。

2020年9月30日 モスクワ           S.ラヴロフ

(アクショーノフ首相の挨拶)

大切な友人の皆さん!

 おもてなしで知られるクリミアにて、毎年実施されている貴フォーラムへの参加者の皆様、関係者の皆様を心から歓迎いたします。

 重要なのはこの会議のテーマが、かつてのソ連構成共和国同士の関係とその共通の歴史、さらにファシズムへの勝利75周年であることです。

 75年前、このヤルタでは戦後の国際秩序を決める会議が行われ、国際連合の設立、安全保障理事会の全会一致原則が取り決められました。ヤルタ会議によって、世界の安定が何十年も維持され、世界戦争が回避されてきました。

 今回のフォーラムの参加者の方々も素晴らしい方々が集まっています。海外からも政治家や社会活動家、学者、ジャーナリスト、ビジネスマン、歴史家、文化人たちがこのロシアのクリミアにやってきて、またはオンラインという形で参加されているのは、この会議の権威と国際的な認知を物語るものです。今日の複雑な世界情勢のなかで最も必要とされるのは、旧ソ連地域における政治的安定と世界における平和ですが、その目的達成のために、ロシア国内外の同じ考えを持った仲間たちの力を結集させる場になっているのです。

 会議のご盛会と、皆様のご健康、ご成功を祈念いたします。

 クリミア共和国首相                 S.アクショーノフ

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By KokusaiSeikatsu

『国際生活』はロシア連邦外務省を発起人とする、国際政治、外交、国家安全保障の問題を取り扱う月刊誌です。創刊号は1922年、『外務人民委員部週報』として出版され、1954年に『国際生活』として、月刊誌として復刊しました。今日、ロシア国内だけでなく、世界各国においても幅広い読者を獲得しています。