ユーリー・メンシコフ  編集委員

9月20日、タシケントで、国際ディスカッションクラブ「ヴァルダイ」とウズベキスタン共和国大統領府付属戦略地域研究所との間で、「協力の新しい歴史的段階における開発と安全の挑戦に立たされるロシアとウズベキスタン」と題した会議が行われた。最初のセッションは、中央アジアにおける改革と開発を扱い、専門家らがロシアとウズベキスタンの双方のアプローチおよび二国間関係の人的交流について議論した。

ウズベキスタン政府によって行われている改革は、中央アジアにおける経済発展においてウズベキスタンを指導的立場に押し上げ、世界経済との統合を促進するための条件を整備するものだ。ロシアは、地域全体の安定した発展、現代経済の挑戦と可能性、グローバル市場、そして地域市場への適応性の向上に大きな関心を持っている。二国間貿易は伸びており、二国間対話および両国が参加する多国間対話の数は増えている。ロシアとウズベキスタンを結びつけるのは、文化的歴史的近接性であり、それは一つの文化的空間にともに共存してきたことによるものだ。重要な遺産は維持しながら、主権国家の誕生と発展、両国の他の協力分野を考慮した新しいアプローチを模索しなくてはならない。タシケントで行われた今回のフォーラムではそのようなことが話し合われた。

フォーラムにはロシアとウズベキスタンから30人以上の専門家らが参加した。ロシア側からは、外務省のアンドレイ・ルデンコ次官、ヤンデックスGoおよびヤンデックスマーケットで国家機関との連携を担当するアレクサンドル・ヴィソツキー部長、国際ディスカッションクラブ「ヴァルダイ」の発展支援基金評議会のアンドレイ・ビィストリツキー会長、「ヴァルダイ」でアカデミックを担当するフョードル・ルキヤノフ所長、「ヴァルダイ」でプログラムを担当するチモフェイ・ボルダチョフ所長などが参加した。

ウズベキスタン側からは、外務省のファルホド・アルジエフ第一次官、アフガニスタン問題を担当するイスマトゥッラ・イルガシェフ大統領特別代表、大統領府付属戦略地域研究所のエルドル・アリポフ所長、およびサンジャル・ヴァリエフ副所長、中央アジア国際研究所のアンヴァル・ナシロフ所長などが参加した。

会議の冒頭、エルドル・アリポフ所長は、ロシアとウズベキスタンが近年、二国間関係において達成してきた進歩を強調した。大統領同士の個人的信頼関係のほかにも、首相レベルでの合同委員会、副首相による政府間委員会、閣僚級の小委員会、さらには議員交流対話の発展も、協力に貢献している。アリポフ氏は、安全保障と国防分野に対して、協力の大きな関心が寄せられていると指摘し、予定されるシャフカト・ミルジヨエフ大統領によるロシア訪問が、両国関係を新しい次元に成長させるだろうとの確信を示した。

アンドレイ・ビィストリツキー会長は、ロシアとウズベキスタンの関係において近年前向きな動きが見られることに同意しながらも、相変わらず、世界は複雑で不安定である点を指摘。このなかでの両国の協力発展は、現代の課題と脅威に効果的に対処することを可能にし、特に、今後の状況が予測できないアフガニスタン問題においては、ほかの諸隣国とともに、ロシアとウズベキスタンに大きな影響を及ぼす問題であり、その安定化に両国が地域レベルで取り組むべきとの考えを示した。アフガニスタンからのアメリカ軍およびその他西側諸国軍の撤退は、中央アジア情勢に対する更なる責任を我々に課すものであり、タシケントでの今回の会議が、現状の原因と性質を理解し、将来どのようなことになるかを予測するための案内役としての重要な役割を果たすことが期待されていると指摘した。

ファルホド・アルジエフ氏は、このようなフォーラムの開催は、双方が定期的な意見交換に関心があることを示しており、ウズベキスタンとロシアとの間での戦略的パートナーシップと同盟関係の強化のための知的メカニズムを策定するためのよい土台となっていると話した。同氏によれば、ここ5年間、両国の関係は前例を見ないほど充実したレベルに達している。それは両国大統領の間での信頼関係と友好関係によるものだ。アルジエフ氏は、ウズベキスタンとロシアは二国間関係のみならず、中央アジア全体、さらにはCIS全体での安定性と安全保障への志向を共有しており、SCOおよびユーラシア経済連合を通じた国際問題の解決と持続可能な発展という目的でも一致している。またウズベキスタンは、沿アラル海イノベーション技術発展ゾーンの創設に関する国連総会決議など、国際的イニシアティブに対するロシアの支持を高く評価している。

ロシア外務省のアンドレイ・ルデンコ次官は、アフガニスタンは現代世界における唯一の問題ではなく、旧ソ連の国境に沿ったすべての周縁には問題となる地域が存在していると指摘した。特にウズベキスタンは、南で起こっているプロセスを身近に感じている。ロシアの中央アジア政策は最大限にオープンなものであり、裏表がなく、すべての国々と対等な信頼関係を最大限誠実に築くことを目指している。ロシアの立場は他の国とは違って、地域各国に対して、ロシアの味方か、それとも敵か、という地政学的選択を迫るものではない。ロシアからの支援は、政治的な条件がない形で、行われている。中央アジアにおけるロシアの外交目標は、すべての国に対等な安全保障と生活レベルを提供することができる国際関係の仕組みづくりである。ルデンコ次官は、ウズベキスタンも同様、ロシアとの間では最近、戦略的パートナーシップと同盟関係が出来上がっていることを指摘し、予定されるシャフカト・ミルジヨエフ大統領のロシア訪問が、両国の経済、貿易、軍事政治、人的交流の各分野での協力発展に新しい一歩を踏み出させるものとの確信を示した。

最初のセッションが終わった後には、金融財政分野における協力、ウズベキスタンへのロシア投資の呼び込み、インターネットやサイバーセキュリティ、水力発電所の建設、原子力発電分野などでの合弁事業などが議論された。また第二セッションでは国防、安全保障分野の議論が行われ、これは一般公開されなかった。

By KokusaiSeikatsu

『国際生活』はロシア連邦外務省を発起人とする、国際政治、外交、国家安全保障の問題を取り扱う月刊誌です。創刊号は1922年、『外務人民委員部週報』として出版され、1954年に『国際生活』として、月刊誌として復刊しました。今日、ロシア国内だけでなく、世界各国においても幅広い読者を獲得しています。